空港からミラノ市内へのアクセス~マルペンサ空港

イタリア第二の都市で経済の中心地ミラノには、<マルペンサ>と<リナーテ>という二つの空港があります。マルペンサ空港はミラノの北西約50キロの郊外に位置し、主に長距離の国際線フライトと欧州線が発着しています。また、リナーテ空港はミラノの中心地から東へ約5キロ程に位置し、主にヨーロッパ圏内(欧州線)やイタリア国内線などに対応しています。

距離などは違いますが、東京に例えると千葉県にある成田空港が郊外のマルペンサ空港だとすると、市内に近いリナーテ空港は羽田空港という感じに似ています。

今回は、マルペンサ空港から市内への移動方法についてレポートしたいと思います。今年(2024年)12月からは、全日空が東京⇔ミラノ間を直行便で結ぶことになっており、こちらの空港の利用者がますます増えることでしょう!

交通手段は主に三通り

マルペンサ空港にはメインのターミナル1<T1>とサブのターミナル2<T2>(旧ターミナル)がありますが、ターミナル2は欧州内のいわゆるLCC便(格安航空会社)の利用ターミナルになるため、日本から旅行や出張でいらっしゃる場合は主にターミナル1に到着することになりますから、ここではターミナル1についてのみご紹介します。

どのルートで到着するかによりますが、出口は到着A(欧州シェンゲン協定国を経由)と到着B(日本/アジアや中近東からのフライト)のいずれかになります。下に空港内の見取り図を掲載するので参照して下さい。

マルペンサ空港ターミナル1の全体見取り図(クリックすると拡大)

到着フロアの地上階は、イタリアでは0階(Floor 0)になります。出発フロアは1階(Floor 1)で日本でいう2階にあたります。そして、地下1階(Floor -1)に鉄道駅があって、そこからさらに一つ下ったホームから電車に乗ることができます。

到着フロアから外へ出る扉にはすべて番号がついていて、どの交通機関を使用するかによって最寄りの出口も変わるため、上の見取り図を拡大して確認してみてください。

マルペンサ空港からミラノ市内へのアクセス方法は主に3つあるので、こちらでは各交通機関へのアクセス法や詳細を写真とともに詳しく説明していきたいと思います。

1. シャトルバス

まず、ミラノ市内へ一番手軽に安くアクセスする方法はシャトルバスになります。空港とミラノ中央駅=チェントラーレ(Centrale)間を約1時間前後で結んでいます。中央駅の近辺にホテル等を取っている方はこちらが便利ですし、そこからタクシーを利用したり、地下鉄(2号線、3号線)に乗ることも可能です。

シャトルバスを利用される方は到着ロビー4番から(AとBの出口の中間あたり)外に出ると目の前にバス乗り場があります。市内へのシャトルバスは複数の会社が競争して運航していて、各社が時間をずらして30分おきに出発するため、実質ほぼ10〜15分毎に出発している間隔です。各社とも朝5時台~深夜まで(空港へ向かう場合は朝3時台~)運航しています。

バス停に行くと、各社のスタッフが「Per Centrale! (チェントラーレ行きだよ!)」と言って誘導してくるので、一番早く出発しそうなバスに乗り込めば良いでしょう。基本はバスが満席になると出発させている印象です。

チケットは到着ロビー付近でもブースを構えて売っている会社がありますが、どの会社のバスにタイミングよく乗れるか分からないので、バス乗り場にいるスタッフから直に購入する方が確実です。料金は各社10ユーロ(2024年8月現在)で揃えているようです。往復で買うと16ユーロと少しお得になりますが、こちらを購入すると復路も同じバス会社にしか乗車できないため注意が必要です。

主な運航会社は次の3社~①MALPENSA SHUTTLE、②Autostradale、③TERRAVISIONとなり、最新の情報は各バス会社のサイト(リンク貼付)で確認して下さい。

ターミナル1を出発すると、途中でターミナル2に立ち寄り、高速道路を経由して市内へと入ります。上記のうち①と②の会社は、市内西部のPiazzale Lotto(ロット広場)にも停車します。ここから地下鉄(メトロ)の1号線と5号線に接続しているので、目的地のホテル等がこの近辺や沿線にある方は、ここへ停車するかどうかを聞いた際に自分はそこで下車したい旨を運転手に伝えましょう。

終点となる中央駅のバス降り場は、Piazza Ⅳ Novembre(11月4日広場)という駅舎の左手に位置しています。復路もシャトルバスでマルペンサ空港へ向かう場合には、同じところから出発します。降り場の付近にもタクシーを見つけられますが、メインのタクシー乗り場は駅舎の右手(反対側)にあたるPiazza Luigi di Savoia(ルイジ・ディ・サヴォイア広場)にあります。

降車の際には、バスの下に入れた荷物(似たようなスーツケースが多い)を間違えて他の人に持って行かれないように気をつけて下さい。また、中央駅付近はスリや置き引きの被害が頻発しているエリアでもあります。特に荷物を持ってウロウロしていると直ぐにターゲットにされてしまいやすいので、身の回り品(特に貴重品)の管理に注意を払って移動して下さい。

ここから地下鉄を利用する方は、駅舎の正面に回り込んでMのマークを探して地下に降りましょう。地下鉄の切符の買い方や利用方法については、〔ミラノ地下鉄-最新情報〕で詳しく解説しているので参照して下さい。

ルイジーロよりアドバイス

所要時間は約1時間くらいですが、交通渋滞に巻き込まれたりするともっと時間がかかるので、バスに乗る前に空港内でトイレを済ませておきましょう!

2. マルペンサ・エクスプレス(急行電車)

ミラノ市内へ向かう別の手段として〔マルペンサ・エクスプレス〕という急行電車(TRENORD運営)を利用する方法があります。空港と市内中心部のカドルナ駅<Milano Cadorna>(地下鉄1号線と2号線に接続)を約40分の所要で結んでいて、始発は朝5:56~終電は00:26まで30分おきに出ています(時刻表は予告なく変わることもあり、また時期によって運休する列車もあるので、詳細は公式サイトで要確認)。交通渋滞などがない分は時間を読みやすいですし、窮屈なバスよりゆったりと移動できる点がお勧めです。料金は片道13ユーロ(2024年8月現在)、往復で20ユーロ(往復割引はインターネット購入時のみ)とバスより少しだけ高めです。

また、同じ運営で中央駅<Milano Centrale>行きもあって、こちらは停車駅が多いため所要は約1時間かかりますが、中央駅の手前のガリバルディ駅<Milano Porta Garibaldi>(地下鉄2号線と5号線に接続)にも停車します。始発は5:43~終電は22:43まで、やはり30分おきに出ていて、料金はカドルナ駅までと同じです。

列車の時間案内は、荷物をピックアップするバゲージエリア内にも表示が出ていますが、下の写真は到着フロアAを出たところの表示です。左から、時刻(ora)、番線(bin)、目的地(destinazione)と出ているので、ここで中央駅行き<MILANO CENTRALE>またはカドルナ駅行き< MILANO CADORNA>のところを見ます。

到着フロアを出たところに掲示されている〔MALPENSA EXPRESS〕の時刻案内表

電車で移動する予定の方は、ここで時刻を確認したらスマホを使って公式サイトでチケットを購入すると非常に効率が良いでしょう。というのは、鉄道駅の窓口も自動券売機もいつも長蛇の列(下に写真あり)ができていて、チケットを買うだけで相当な時間がかかるためです。ちなみに、この時点でチケットを買うのであれば、鉄道のホームまでアクセスするのに15分ほどの時間的余裕をみる必要があります。

鉄道駅へのアクセスですが、到着フロアのAとBの間(出口番号でいうと4と5の間)に下りのエスカレーターがあるので、ここから地下に降り(エレベーター利用の場合は-1階)、レンタカーオフィスを超えて地下通路を抜けてゆくとチケット売り場があります。

このチケットカウンターの左側の自動スロープを降りると電車ホームがありますが、スーツケースを持って利用すると車輪が転がって危ないので、チケットカウンターの向かいにあるエレベーターを利用する方が無難です。降りるホームを間違えないように確認しましょう。

上の写真はマルペンサ・エクスプレスの車両と車内を写したものです。筆者も空港へ向かう時に時々カドルナ駅から利用していますが、車両内に荷物置き場もあり、またダストボックスや電気コンセントもあるので快適です(個人的には中央駅行きの電車には乗車したことがないので、同じ車両タイプかは分かりません)。

チケットや詳細情報はこちらの公式サイトから👇

マルペンサエクスプレス公式サイト

ルイジーロよりアドバイス

海外旅行中にも欠かせないデータ通信は~到着後にすぐ利用できるeSIMをあらかじめ日本で用意しておきましょう!

3. タクシー

最後にご紹介する移動手段は、ミラノ市内のホテルや目的地まで一番安全で楽に移動できるタクシーです。料金は公共の交通機関利用よりは高めですが、複数人で利用する方や、早朝・深夜の到着の場合には、治安の面からもタクシー利用がお勧めです。

所要時間は目的地にも寄りますが、立ち寄りがないのと走行スピードの点でシャトルバスよりはかなり早く、料金はミラノ市内であれば乗車人数や荷物の数にかかわらず、どこでも一律で114ユーロ(2024年7月1日に110から値上げ)です。1台の乗車人数は車種により異なり、普通のセダンタイプなら3人(荷物が少なければ4人)、バンタイプで5~6人といった感じです。

マルペンサ空港のタクシー乗り場は到着フロアBの近くにある6番出口付近から外に出るとすぐに見つかります。写真のように<⇧TAXI>と書いた表示が見えるので、真っすぐ進むと先頭から列ができていたりします。そこに順番に来るタクシーに乗車します。固定料金なので、それ以外の支払いは必要ありませんが、ドライバーの対応が良かった場合などに心付けでチップを上乗せしてあげると喜ばれます。逆に、スーツケースは別に料金がかかると言われたという話を聞いた事がありますが、それはありません。心配な方は、乗車の前に料金を確認してから乗ると安心かも知れません。

6番出口を出て右方向へ進むと<TAXI>の看板が見える
ルイジーロよりアドバイス

到着ロビー内で「タクシー?」と声をかけてくるのは、正規のタクシーではない(いわゆる”白タク”)ので、割高になってしまったり法外な運賃を請求されたりします。声をかけられても無視するか「ノーサンキュー」と言って外に出て、<TAXI>と書いてあるタクシー乗り場から乗車するようにしましょう!

まとめ

以上、主な三通りの移動手段をご紹介しましたが、それぞれの㋱メリット・🈓デメリットをまとめてみました。

  1. シャトルバス ㋱料金が安い ㋱本数が多い ㋱到着ロビーから直ぐ乗れる 🈓時間がかかる 🈓車内が窮屈 🈓交通渋滞のリスク
  2. マルペンサ・エクスプレス ㋱料金が比較的安い ㋱交通渋滞のリスクはない 🈓到着ロビーから地階へ移動 🈓チケットの購入に時間がかかる 🈓鉄道ストライキの可能性
  3. タクシー ㋱ドアツードアで移動が楽 ㋱治安の面で安心 🈓料金が高い

移動先の目的地(予約している宿など)が市内のどの辺に立地しているかにもよりますので、ご旅行前にあらかじめ移動手段をプランニングしておくと旅の始まりもスムーズかと思います。

ルイジーロでは、空港送迎のライセンスを持ったスタッフが空港の到着口までお迎えに上がり、専用タクシーにてホテルまでお送りして、チェックインのお手伝いまでさせて頂くことが可能です。また、人数によっては大型の車種をあらかじめ手配することもできますので、必要があればお気軽にご相談くださいませ。

ルイジーロよりアドバイス

ユーロへの両替は日本の方が断然レートが良いので、ある程度は日本で交換してから渡航しましょう!

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投稿者プロフィール

舞緒 ルイ
舞緒 ルイ
2011年よりイタリア・ミラノ在住。
渡航前は旅行代理店に勤務し、ヨーロッパ専門のツアーコンダクター
として、ヨーロッパ各地を周った経験から、2016年にルイジーロを
立ち上げて現在に至る。