今年も夏時間が始まります!
ヨーロッパのサマータイム制度は、3月最後の日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜に元に戻す仕組みで、この7ヶ月の間、標準時間を1時間進めている制度、またはその進められた時刻のことをサマータイム(夏時間)と呼びます。
イタリアでは、第一次世界大戦中の省エネ対策として、1916年に最初に導入されました。その後、この制度は廃止されたり再採用されたりを繰り返し、1960年代からは継続してサマータイムを導入しています。なお、1966年から1980年代まではその期間を縮め、5月下旬から9月下旬までの4ヶ月間としていた事もあったそうです。そして、1996年以降は、欧州連合(EU)全体で統一され、法定の期間は3月末から10月末までとなりました。
近年では、世界的にサマータイムへの批判が大きくなり、仕事の生産性が下がる、事故が増えるなどいろいろ言われていますが、特に寝不足やメンタルヘルスへの悪影響、心臓発作や脳卒中のリスクを高めるなど、健康への弊害が強く言われるようになりました。
その流れを受けて、2019年3月26日、EU欧州議会はフランスのストラスブールで開いた本会議で、EU加盟国が一律採用しているサマータイムの制度を2021年に廃止する案を賛成多数で可決しました。(EUから離脱したイギリスでは継続の予定)
そして、夏時間と冬時間のどちらを使うかは各国の判断にゆだねられることになったのですが、その後の協議はコロナによるパンデミックの影響や政治の対立などで止まったままで、どの国も法令化の議論や手続きは進んでいないのが実情です。
ちょうど一年前の今頃も、「サマータイムは今年が最後か?!」といった記事が出回り、7ヵ月後に時間を戻すのか戻さないのかハッキリしないまま夏時間に突入したのですが、その後この話題を見聞きすることも少ないまま一年が経過してしまいました。
ということで、今年は3月27日(日)の午前2時に時間が一時間進み、日本との時差は7時間となります。
投稿者プロフィール
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2011年よりイタリア・ミラノ在住。
渡航前は旅行代理店に勤務し、ヨーロッパ専門のツアーコンダクター
として、ヨーロッパ各地を周った経験から、2016年にルイジーロを
立ち上げて現在に至る。
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